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虫歯にならないためにはどうしたらよいか!

今回は虫歯の予防法についてお話ししたいと思います。

虫歯の原因!

虫歯予防に大事なことは原因を除去することです。では虫歯はどのようにできるかというと、お口の中の虫歯菌が糖分を餌(えさ)にして『歯垢(しこう)』を作り出します。歯垢は『デンタルプラーク』とも呼ばれます。そして、できた歯垢の中で『酸(さん)』を作ります。この酸が強力で歯の表面を少しずつ溶かし、少しずつ歯がもろくなりやがて穴となっていきます。また、この酸は銀歯も微量ですが溶かすほど強力なのです。余談ですが、虫歯でできた穴を齲窩(うか)と言います。

というわけで虫歯の原因は

1.虫歯菌が口腔内に存在する

2.虫歯菌の餌となる糖分が存在する

3.歯質(ししつ)が弱くなってしまっている部分が存在する

の3つが考えられ、この3つの原因がすべて絡まったときに虫歯になってしまいます。

つまり、何かが完全にかけてしまえば虫歯にはならないのです。ただ、虫歯菌は一度感染してしまうとゼロに戻すのは困難ですし、糖分を全くとらない食生活もほぼ不可能です。歯がなければ虫歯にはなりませんが、それも考えられませんので、この3つの原因をバランス良くコントロールしていく必要があります。

虫歯を予防するには!!

一つ目の原因の虫歯菌のコントロールに重要なのは基本的に『歯磨き(ブラッシング)』です。歯磨きは『食べかす』を除去するために行っていると考えている方が多いのですが、『プラークコントロール』という言葉があるように、歯磨きで除去するのは『歯垢(プラーク)』です。前述したとおり歯垢は細菌の塊なのです。当院では実際患者さんのお口の中から直接歯垢をとり位相差顕微鏡で見ていただくのですが、歯垢の中の細菌を目の当たりにすると皆さん驚かれます。

ブラッシングは口腔内の細菌を増やさないようにするための行為なのです。

二つ目の原因である糖分のコントロールが個人的には最重要と考えています。というのも、もちろんブラッシングも重要なのですが、残念ながら細菌をゼロにすることはできません。糖分のコントロールが出来ていないと虫歯のリスクは高くなってしまいます。

虫歯菌が糖分を餌に歯を溶かしてしまう酸を産生します。その結果、普段中性の口腔内は酸性となり、歯の表面は溶けて弱くなる『脱灰(だっかい)』が起こります。その後糖分を摂取しなければ、唾液の緩衝能(かんしょうのう)の作用で口腔内は40~60分ほどで再度中性の状態に戻ります。そして中性の状態が保たれていると歯の表面が再度強い状態に戻る『再石灰化(さいせっかいか)』が起こります。

そのため、常に飴を舐めていたり、お砂糖入りの飲み物を頻繁に飲んだりすると口腔内は常に酸性の状態となり、中性にもどる時間がなくなるため、歯の表面はどんどん弱くなり虫歯になりやすい環境となってしまいます。

注意が必要なのは糖分というと砂糖を想像されるかと思いますが、炭水化物なども分解されれば糖に変わっていくので虫歯のリスク因子となるのです。というわけで、お水やお茶以外を口に入れたかならず2~3時間は間隔をあけることがとても重要なのです!!

スポーツドリンクも要注意で沢山の砂糖が入っている製品がほとんどです。中高生になり運動系の部活に入り水分補給をスポーツドリンクに頼り、途端に沢山の虫歯が出来てしまうお子さんを診ることもありますので皆さんも注意してくださいね。

補足ですがキシリトールは甘味料なのですが、キシリトールからは虫歯菌は酸を産生できず、逆に虫歯菌を弱らせる効果もあるため虫歯予防に効果的だといえます。

最後に歯の質ですが、もちろん歯が強い方が虫歯になりにくいです。そして歯質を強くするのに効果的なのがフッ素です。当院でも希望により行っていますが、お子さんが歯科医院で定期的にフッ素を塗ってもらうのは、歯質を強くすることで虫歯予防を行おうという考えなのです。

ただ、フッ素も賛否両論あり、あえて取り入れない方も多くなっています。また、フッ素を定期的に塗っても糖分のコントロールができていないと虫歯が出来てしまうことが多いのも事実ですので、フッ素を取り入れていれば大丈夫!と楽観するのは危険だと考えています。

この3つの原因を上手にコントロールし、虫歯にならないようにしましょう!

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