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何で虫歯になるのか!!

今回はなんで虫歯になるのかについてお話ししたいと思います。

虫歯のメカニズム!

虫歯というと大きな穴を想像される方が多いと思いますが、実際にはまず歯の表面が弱くなる『脱灰(だっかい)』から始まります。この脱灰という状態はしっかりケアすれば『再石灰化(さいせっかいか)』が起こり虫歯は進行しない可能性が高い状態です。

しかし、そのまま進行していくと表層の歯質(ししつ)である『エナメル質』に『齲窩(うか)』と呼ばれる穴が開いていきます。さらに虫歯が進行し下層の『象牙質(そうげしつ)』まで進行していくと一気に穴が大きくなっていきます。大きな穴になってから痛みが出て虫歯に気づく方が多いと思います。

ではどうしてこのように進行していくのかと言うと、まず虫歯になったことがある方はほぼ確実に『虫歯菌(ニュータンス菌が代表的)』が存在します。

この『虫歯菌』が『糖分』を餌にしてまずは歯を溶かしてしまう『酸(さん)』という液を作り、この酸により歯の表面が溶かされていくことで徐々に穴があいていくのです。

お口を開いて見える歯は『歯冠(しかん)』と言い『歯根(しこん)』は骨に埋まっています。歯冠は二層構造になっており表面はエナメル質で非常に強い歯質で言ってみればヘルメットの役割をしています。

その下層の象牙質は歯の中にある神経や血管が入っているお部屋である『歯髄(しずい)』を取り囲んでおり、エナメル質に比べ非常に弱いため、虫歯がエナメル質を通過し、象牙質に到達すると進行がはやまる傾向にあり、痛みを伴ってくる場合が多いです。

さらに進行し、歯髄に到達してしまうと激痛を伴う場合が多く、沢山歯を削り歯の神経を取る治療が必要となってくることが多くなります。

特に、歯と歯の間から虫歯になってしまうとわかりにくく、突然『歯に大穴が開いてしまいました!』と来院される方がいらっしゃいますが、実は歯と歯の間の虫歯が徐々に進行し、エナメル質は固く簡単に割れたりしないので見た目に変化がないまま進行し、エナメル質を支えている象牙質が虫歯でボロボロにり、支えをなくしたエナメル質が割れて急に大きな穴が出てくるのですが、実はかなり前から虫歯にはなっていたと考えられるのです。

虫歯の原因!

というわけで、まず虫歯の原因の筆頭に挙げられるのは虫歯菌です。この虫歯菌は生まれたばかりの赤ちゃんには存在しません!!

多くは家庭内感染で、『両親から愛情表現のキス』や『食事中のフーフー』、『食器の共有』などで感染するケースが多いようです。

最も感染しやすいのは『生後18カ月(1歳6か月)~30カ月(2歳6か月)』であると言われていますので、この時期は特に注意が必要ですね。

そして次の大きな原因が虫歯菌の餌となる糖分です。

虫歯というとお砂糖をイメージされると思います。もちろん直接糖であるお砂糖は最大のリスクとなりますが、厳密には白米も分解されれば糖に変わりますし、お水とかお茶以外の飲食物は何らか糖に変わり、すべて虫歯菌の餌になる可能性があると思っていただいた方がよいと思います。

では糖分を全く摂取してはいけないのか、というとそういうわけではありません。お口の中は普段、『酸性』・『アルカリ性』・『中性』でいうと『中性』の状態で保たれています。それが食事をしたり、おやつを食べたり、ジュースを飲んだりすることで虫歯菌が酸を産生し、それによりお口の中は『酸性』になってしまいます。

この『酸性』の状態では目には見えませんが歯の表面は溶けているのです(脱灰)。ただその後、唾液の『緩衝能(かんしょうのう)』という作用によりお口の中が再度『中性』の状態に戻り、その状態が数時間保たれていれば溶けた歯の表面は再びミネラルを取り込み元に戻っていくのです(再石灰化)。

つまり、飲食後には歯の表面では目には見えなくても溶けたり戻ったりが起こっているのです。そのためダラダラ食いで一回の食事の時間が極端に長かったり、常に飴を舐めたり、頻繁にスポーツドリンクで水分補給を行ったりしていると、お口の中は常に酸性の状態になり、歯は溶け続ける一方でもとに戻る時間が無くなってしまうので非常に虫歯になるリスクが高くなってしまいます。

虫歯になるその他の原因!!

その他の原因としては歯の質が弱かったり、唾液の能力が低かったりすることもありますが、こちらはコントロールが難しいのでまずは歯磨きと糖分のコントロールが重要だと思います。

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